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よもやよもやだ、宿好きとして不甲斐なし【宿の運営】

guesthouse-development宿経営

私がゲストハウスを開業しようと決意したのは、今から10年以上前の事です。

当時、周囲の人にゲストハウスの開業を伝えたとき、大半の人が「ゲストハウス…何それ?」という反応をしていました。

国内では未だ一部の地域にしかなく、海外で泊まった事があるという人以外にはほとんど知られていなかったので、あまり理解してもらえなかったのは当然だったと思います。

首都圏では当時からすでに知られていたのかもしれませんが、京都以外の関西圏では、その程度の認知だったと思います。

それが2011年頃から少しずつ一部の人に認知され始め、2015年ごろから急激に知名度が上がったように感じます。

2018年ごろには「泊まったことがあります。」と聞く事も珍しくなくなってきました。

昨年、某コーヒーメーカーの営業マンが飛び込みで訪れてきて、私にこう言ってきました。

「ゲストハウスって、少し前にブームになったと思うんですが、今はどんな感じですか?」

あまり宿や旅行に関心がない人には、ゲストハウスと民泊が混合していることもあり、小宿=民泊系だと思っている人も少なくないので、この営業マンも民泊だと思っていたのかもしれません。

しかし、この一言は何気に少し衝撃を受けました。

この10年ちょっとの間にゲストハウスの捉われ方はこれほどまでに変わり、現在はそんな風に認知されているのかと。

確かにここ数年の間で、爆発的にゲストハウスやホステル、民泊、小規模ホテルが次々と誕生し、以前とは異なるスタイルの宿も珍しくなくなってきました。

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たったこの10年で、これほどまでに変化した国内の産業は他にないと思います。
2010年代では、ゲストハウスという産業がどの業界よりも進化が速かったと感じています。

それは設備のみならず、コンセプトやクオリティもそうだと感じています。
ゲストハウスには、ホテルにはない交流やアットホームさという良さがあり、それが最大の醍醐味だと思っていました。
ほんの数年前まで、設備は安かろう悪かろうが普通だったように思うのですが、最近はホテル並みに整っているところも珍しくありません。
強いていえば、数年前まで安宿のトイレは和式トイレでもわりと普通だったと思います。

それが今は雰囲気や交流の楽しさだけではなく、設備自体のクオリティも相当高くなければ、宿側はレビューで酷評される事も少なくありません。
正直、ゲストハウスのようなスタイルの宿が大きく淘汰される時代がこんなにも早くやってくるとは予想外でした。

新しい競合が乱立するなか、何でもハイクオリティにしてしまう日本人が本気で作り上げた宿は、例えそれが安宿でもやっぱりとんでもなく凄いクオリティです。
ウォシュレット付きは当たり前の事ですが、ベッドや寝具までも高価なものを使っていたり、映えスポット的なバジェット型のお宿さんをみかける事も珍しくありません。
日本以外の国で、そこまでしてしまうゲストハウスはかなり稀です(というかほとんど聞いたことがありません)。

私が宿開業の方法を模索していた2010年ごろは、国内にゲストハウスは数えるほどしかありませんでした。
だからこそ、世界一周という旅のなかで、バッパー系の宿事情が日本よりも圧倒的に進んでいる海外の宿視察の実行を決意しました。

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しかし、私の石橋を叩きすぎる性格が仇となり、実行に移す時期が大きく遅れてしまいました。

国内では宿のバラエティが極端に少なく、海外に大きく後れを取っていましたが、私がとろとろしている間に、宿の形態や大小を問わず、他の日本の産業と同じように、一瞬で世界最先端のクオリティになってしまったと感じています。

私が宿を開業したいと言い始めて、実際に開業したのは7年後のことです。
2014年頃から始まった民泊ブームの影響もあり、新しい宿が次々と誕生するなか、当時すでに5年以上も構想を重ねていた自分は、未だ何もできていないという現実に不甲斐なさを感じていました。

「思い立ったら吉日」というのはあながち大げさではありません。
その時はうまく流れに乗れるチャンスがあっても、時機を逃せば大変なことになってしまうと実感しました。

実は以前から新しい事業を計画していたのですが、コロナ禍になり、一時的に断念していました。
しかし、宿のときのように二度と大きな遅れは取りたくないと思っています。
いつになるかわからないコロナの収束を待って廃れるよりも、リスクを冒してでも前に進まなければならないと思っています。

焦りは禁物ですが、調査を行いながらも掴めるチャンスは逃さず、できる事はやって、少しずつ行動へ移していきます。

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